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地球のために虫を食べる覚悟はあるか?キッチンで超エコに食用昆虫を育てる「LIVIN Farms Hive」

November 28, 2015
地球のために虫を食べる覚悟はあるか?キッチンで超エコに食用昆虫を育てる「LIVIN Farms Hive」

世界の人口は70億人を超え、国連の予測によれば2100年には112億人に達するという。100年後、果たしてすべての人類が水や食糧にありつくことはできるのだろうか?
従来から、今後訪れるかもしれない食糧危機に備えて、昆虫は有力な栄養源になると考えられてきた。

牛一頭を育てるためには、土地やエサなどの様々なリソースを大量に割かなければならない。
しかし、もし牛一頭と同じだけのタンパク質を、わずかなリソースを用いて昆虫を育てる事によって補えるとしたら・・・。

それを現実のものとする最新の食用昆虫デバイスが、クラウドファンディングサイトKickstarterで資金を募っている。
わずか449ドルで一台購入することができるので、将来に備えたい人は、ぜひ投資してみてはいかがだろうか。




生ゴミで食用昆虫を育てる!超エコな仕組み

「LIVIN Farms Hive」は、キッチンに置いておいて、タンスの引き出し的な形をした本体の中でワームを育てるデバイスだ。
なんと、食べ残しの穀物や、生ゴミをエサとして与えるだけで、虫達を育てることができるという。

微生物に生ゴミを分解させ、肥料とするバイオ生ゴミ処理機などはすでにあちこちで使われているが、ワームに生ゴミを分解させワームを食べちゃおうという超エコなデバイスというわけである。

最上部の層にサナギを入れ、そこで成虫となった虫が卵を産み、それが下の層に落ちて孵化し、成長段階に応じて幼虫を下層におろしていき、最終的に一番下のトレイから「収穫」される。
ある種永遠に続いていくライフサイクルが、自宅のキッチンで毎日繰り返されるわけだ。
ユーザーに求められる作業は野菜の切れ端などをエサとして各トレイに与えるとともに、一週間に一回のペースでトレイを下の段に移動させ、ライフサイクルを循環させるということのみ。

自宅で育てた昆虫を食べるわけで、化学物質や薬品の心配もなく、ある意味では超安心なオーガニック食糧になる。

昆虫食の様々なメリット

Kickstarter上の説明サイトでは、昆虫食の様々なメリットが掲載されている。
牛肉と同様のタンパク質を含み、ブロッコリーよりも食物繊維が豊富で、卵よりもビタミンB12を多く含み、豆腐並みのアミノ酸組成でとにかく体にいいらしい。
牛一頭を育てるよりもはるかに効率的に、栄養豊富な食糧を生産する方法であることは確かである。

実際、牛を育てるために必要なリソースと、昆虫を育てるために必要なリソースを比較すると、なかなか面白い。

牛と昆虫が必要とするリソース

  • 土地:
     牛10ヘクタール vs 虫1ヘクタール
  • 1kg生産に必要なエサの量:
     牛10kg vs 虫2.2kg
  • 1kg生産に必要な水の量:
     牛13,246リットル vs 虫ほとんどなし
  • 1kgあたりのCO2排出換算値:
     牛67.8kg vs 虫2.7kg

水や穀物の消費を最小限に、十分な量のたんぱく質と栄養を確保するためには、間違いなく昆虫がベストな食材というわけだ。
CO2の排出も大幅に削減できることから、100年後には本当に昆虫食が主流になっているのかもしれない。

TEDトークでも、本デバイスや昆虫食の意義をLIVINのKatharina Unger氏が語っている。

そうはいっても・・・まだ虫を食べる覚悟はないです

確かに昆虫食は地球の資源という観点から見ても合理的であるし、栄養なども豊富で牛肉を代替できるのかもしれない。
それに、中国やベトナム、メキシコなど、昆虫食が昔から定着しているところも多い。日本でも、イナゴを食べる習慣がある地域もあるわけで・・・。

とはいえ、やはり昆虫を日常的に食べ、肉から虫におかずのメニューを切り替えるには、地球に優しいとか体に優しいとか、理論的な説得だけでは足りないだろう。
人類がこれまで長年食べてきた食材から、代替食材に乗り換えるには、習慣や考え方、あるいは人生観に及ぶ大きな変化が求められるのではないかと思う。

食糧危機を解決しうる食材は、実際に食糧危機が到来しない限り本格的に普及することはないに違いない。

そういう意味では、将来を見越して、今から着実に準備をしている昆虫食研究家たちは、もっと評価されてもいい。
僕は彼らの生み出した素晴らしいアイディアを、当分食べる気はないけど・・・。

About The Author

nipponomiaCo-Founder, Writer小松明
平成生まれ。神奈川出身。
米国でパブリック・アイビーの一つに数えられる州立大学への留学を経て、某旧帝大を次席で卒業。TOEIC満点。現在はNGO勤務。

英語の読解力にはかなりの自信があり、海外の学術論文からテック系ニュースまで、日々情報収集している。
主要な関心は日本、英米の社会保障制度。

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