スマートフォンメーカーと聞いて、皆さんはどの会社を思い浮かべるだろうか。日本ではAppleのiPhoneやSONYのXperia、SamsungのGalaxyなどが有名どころだろう。
これらのスマホは、ドコモ・ソフトバンク・auの3大キャリアから、最近話題の2年縛り・割賦販売で、高額なスマホプランとともに販売されているケースがほとんどだ。
しかし世界に目を向けてみると、これらのスマホよりも遥かに安い価格で、SIMフリーのスマートフォンを販売しているメーカーが山ほどある。
SIMフリースマートフォンが日本でも話題になり、続々と格安SIMが登場し、総務省も日本独自の販売手法である2年縛り自動更新をやめることを求めるなど、大きく変化しつつある日本のスマートフォン市場において、今後数年以内に中国や台湾から多数の格安スマートフォンメーカーが日本に上陸し、日本のスマホ市場は激しい競争に突入していくのではないかと予想する。
そこで今回は、海外で既に非常に知名度が高い、格安で驚くほどハイスペックなSIMフリー端末を販売している中国や台湾のスマートフォンメーカーを紹介する。
ここから日本のスマホ市場の未来が見えてくるかもしれない。
世界シェアを席巻しつつある中華製スマホ
Xiaomi(シャオミ)やHuawei(ファーウェイ)というスマートフォンメーカーの社名を知っている日本人はどれだけいるだろうか。
これらは、ここ数年で中国・インド・インドネシアなど、アジアの各地で爆発的な成長を見せている中国のスマートフォンメーカーである。
海外では非常に高い知名度とシェアを誇り、Xiaomi(シャオミ)のフラグシップ機がインドで発売された際には、インターネット注文が殺到して数秒で売り切れるほどの人気を博しているという。
日本では、AppleのiPhoneが圧倒的なシェアを誇り、それにAndroid端末のSONYのXperia、富士通のArrows、シャープのAQUOS PHONEなどが続く・・・という印象であろうか。
しかし、世界市場においては、米アップル、韓国サムスン、中華製スマホの三大勢力が熾烈な競争を繰り広げており、日本メーカーはほとんど存在感を示せていないのが現実だ。
調査機関のCounterpointは、世界中の携帯電話機・スマートフォンの出荷台数や市場シェアに関するレポートを発表しているが、これを参考に2015年第3四半期の世界のスマートフォン市場の動向をチェックしてみよう。
まず、首位をひた走るのが韓国Samsung社である。日本においても、サムスンのGalaxyは高い知名度を誇っているが、世界中でここまでのシェアを握っているとは少し意外な印象である。
ご覧の通り、日本のスマートフォンメーカーは全くランクインしておらず、上位6社は中国4社、韓国1社、米国1社と、アジアを中心とする海外勢が圧倒的シェアを有している。
ちなみに、2014年の第3四半期と比べると、Apple, Huawei, ZTEがそれぞれシェアを1〜2%増加させている。
出荷台数そのものは、上記グラフで上位6位に上がっているメーカーはLenovoを除いて全て増加しているが、サムスンの出荷台数はわずか6%増のところ、Huaweiが出荷台数63%増を叩き出すなど、中国勢の凄まじい成長の勢いが感じられる結果になっている。
ここ最近で、中国の新興スマホメーカーが米国市場や欧州市場に進出するなど、中華系スマホメーカーのアジア以外での勢力拡大も進んでおり、日本市場への上陸・拡大は時間の問題であろう。
実際、中国のHuaweiやLenovo、台湾のASUSなどは、すでに日本のMVNOの格安SIMプランと連携して端末の販売を開始している。
日本で格安SIMやSIMフリースマホが十分に普及すれば、あっという間に日本市場を中国の格安スマートフォンが占拠してしまってもおかしくない状況だ。
むしろ、その序章は既に始まっていると言っても過言ではない。
そんな世界中で注目を集める中国・台湾のスマートフォンメーカーを、一社づつ紹介していこう。
成長著しい中国の家電メーカー「Xiaomi(シャオミ)」
Xiaomi(シャオミ、小米科技)は、凄まじい成長スピードで端末販売数を伸ばしている中国のスマートフォンメーカーである。
最近は、わずか1000円程度で購入することのできるフィットネスバンド「Mi Band」のほか、空気清浄機などの家電製品も販売している。
日本のビジネス系メディアなどでも注目されており、徐々に国内での知名度も高くなってきているが、まだ日本市場には進出していない。
中国をはじめ、マレーシア、フィリピン、インドなどのアジアを中心に展開しており、つい最近アメリカで販売を始めたアクセサリを除けば、北米進出もしていない。
2014年8月に進出したインドでは、2015年第3四半期の販売台数が100万台を突破したとXiaomiの副社長であるHugo Barra氏がツイートしている。
Xiaomi India: we sold over 1M units in Q3, our best quarter ever! And 45% QoQ growth in 2015 pic.twitter.com/kGVXw58wCt
— Hugo Barra (@hbarra) 2015, 11月 5
調査会社IDC Japanが公開している「2015年第1四半期 国内携帯電話出荷台数 ベンダー別シェア」を基に計算すると、SONYの携帯端末の国内での出荷台数がおよそ115万台(2015Q1)であるから、インドでSONY並みの地位を確立したといったところだろうか。
Xiaomiのフラグシップ機は、「Mi 4」という端末であるが、これは非常に高スペックながら驚きの低価格で提供されており、インドで爆売れすることも納得出来る。
(Reprinted from MIUI.COM)
Xiaomiのフラグシップスマホ「Mi4」−スペック詳細
- OS: Android OS 4.4.2
- UI: MIUI 6
- CPU: 2.5 GHz quad-core Snapdragon 801
- RAM: 3GB
- ROM: 16GB/64GB
- 2G: GSM 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
- 3G: UMTS 850 / 900 / 1900 / 2100 MHz
- カメラ: リアカメラ1300万画素 / フロントカメラ800万画素
- スクリーン: 5inch display
- バッテリー: 3080 mAh
残念ながら4G LTEには対応していないが、前後のカメラの画素数も高く、メモリも3GBと十分高スペックと言える。
これだけのスペックで、250ドル程度で購入できてしまうのだから本当に驚きだ。
外観は、iPhoneのパクリではないかと話題になるほどAppleっぽいデザインである。
クリスマス前頃に、Mi 4の最新型であるMi 5の画像がリークされたが、こちらもMi 4とデザインはそれほど変わっていない。
(Reprinted from 包子玩机)
Xiaomi Mi 5は、メタルフレーム、指紋認証、USB Type Cポートを備えていると噂されており、全体のスペックもMi 4より向上しているはずであるから、iPhoneを始め各社のフラグシップスマホと十分に戦えるモデルになるだろう。
また、Mi 5がクアルコムの最新のハイエンドSoCであるSnapdragon 820を採用するとの噂もあり、それが実現すればSnapdragon 820を採用する世界で2番目の端末となる。
もしXiaomi Mi 5が日本に上陸し、3万円台で販売されようものなら、かなりの需要が見込めるのではないか。
とはいえ、新興国中心の展開を見るに、当分は日本に進出する気配はなさそうだ。
世界最高スペックを誇る最強のスマホ「Meizu(メイズ)」
Meizu(メイズ、魅族科技)は2003年に設立された電気メーカーで、当初はMP3プレーヤーなどを販売していたが、2008年にスマートフォンを発売した。
アジアを中心にスマートフォンを販売し、2015年には2000万台を超える端末を販売したといい、これを2014年と比較すれば出荷台数350%増という凄まじい成長を見せている。
Xiaomiの販売台数が、2015年第3四半期のみでも1850万台であるから、まだまだXiaomiには遠く及ばないが、現在の成長を維持できれば、いずれXiaomiと同等の規模にまで成長できるかもしれない。
Meizuのスマートフォンで最もメジャーなものは、MXシリーズであろう。現在は、2015年の秋に発売されたMX5が最新版となっている。
(Reprinted from Meizu.com)
Meizu MX5 − スペック詳細
- OS: Android OS 5.0.1 Lollopop
- UI: Flyme 4.5.2
- Chip: Mediatek MT6795 Helio X10
- CPU: Octa-core 2.2 GHz Cortex-A53
- RAM: 3GB
- ROM: 16GB/32GB/64GB
- 2G: GSM 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
- 3G: WCDMA 850 / 900 / 1900 / 2100 MHz
- 4G: FDD-LTE 1800 / 2100 MHz
- カメラ: リアカメラ2070万画素 / フロントカメラ500万画素
- スクリーン: 5.5 inches
- バッテリー: 3150 mAh
Meizu MXシリーズは従来から、スマホの性能を測定するベンチマークアプリのランキングでMeizu MX4が最上位にランクインするなど、世界最強スペックのスマホとして知られてきた。
しかしそこへ、Meizu MXシリーズに代わる新フラグシップとなるMeizu PRO 5が投入され、現在はさらなる超高スペックスマートフォンが販売されている。
(Reprinted from Meizu.com)
Meizuのフラグシップスマホ「Meizu PRO 5」 − スペック詳細
- OS: Android OS 5.1 Lollopop
- UI: Flyme 5.0
- Chip: Exynos 7420
- CPU: Quad-core 1.5 GHz Cortex-A53 / Quad-core 2.1 GHz Cortex-A57
- RAM: 3GB/4GB
- ROM: 32GB/64GB
- 2G: GSM 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
- 3G: HSDPA 850 / 900 / 1900 / 2100 MHz
- 4G: LTE 1 / 3 / 7 / 38 / 39 / 40 / 41
- カメラ: リアカメラ2100万画素 / フロントカメラ500万画素
- スクリーン: 5.7 inches
- バッテリー: 3050 mAh
RAM4GB、ROM64GBの最上位モデルは非常にハイスペックで、4G LTEの対応バンドも充実している。指紋認証やUSB Type-Cを搭載するなど、最新のトレンドは一通り押さえている端末だ。
このまま日本に持ってきても、DoCoMo、au、SoftBankなどの三大キャリアの周波数帯で問題なく使用できるだろう。
ただ、中国本土で販売されている端末はGoogle Playが入っていないなどの様々な制約がある(中国本土ならばMeizuに限らない)。
日本上陸を待ちたいところだが、日本ではMeizuブランドの知名度も非常に低く、実現までのハードルは依然高そうだ。
また、Meizu MX5とMeizu PRO5の画像をご覧頂ければ、ぶっちゃけAppleのiPhoneのデザインを丸パクリしているのではないか・・・という疑問は誰もが抱くに違いない。
機能性と価格という優位性を追求し、デザインやブランド戦略にはそれほどお金をかけていないのかもしれない。
フラグシップキラーと言われる新興メーカー「OnePlus」
OnePlusは、2013年に突如現れ、海外メディアで高い注目を集めた中国の新興スマートフォンメーカーである。
初代の端末「OnePlus One」は、各社のフラグシップ機のスペックを上回るほどの高機能でありながら、日本円にして3万円以下で購入できるということもあって、発売前から非常に話題になった。
当初から「フラグシップキラー」というキャッチコピーを掲げているが、今日でもその破壊力は健在である。
最新の端末は2015年に発売された「OnePlus 2」で、期待を裏切らないデザイン・スペックの端末となっている。
(Reprinted from oppomart.com)
OnePlusのフラグシップ「OnePlus 2」 − スペック詳細
- OS: OxygenOS(Android 5.1のカスタムOS)
- CPU: 64-bit Qualcomm Snapdragon 810 (1.8GHz Octa-core)
- RAM: 3GB/4GB
- ROM: 16GB/64GB
- 2G: GSM 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
- 3G: (ヨーロッパ・アジア版、北米版、中国版で異なる)
- 4G: (ヨーロッパ・アジア版、北米版、中国版で異なる)
- カメラ: リアカメラ1300万画素 / フロントカメラ500万画素
- スクリーン: 5.5 inches
- バッテリー: 3300 mAh
OnePlus2は、クアルコムのハイエンドSocであるSnapdragon 810を搭載し、メモリも4GBと頭一つ抜けたハイスペック端末である。
さらに指紋認証機能やUSB Type-Cといった最新技術を一通り採用している。
OnePlus 2からは、背面のデザインを変更できるカバーも用意されており、外観にもこだわりが感じられる。
私は、OnePlusの初代フラグシップ機である「OnePlus One」をかれこれ1年間使用しているが、デザインも優れており、サクサク快適に動作し、価格もiPhone等と比べ圧倒的に安いなど、デザイン・スペック・価格どれをとっても最強のスマホだと考えている。
なお、初代のOnePlus Oneには、Androidの有名カスタムOSであるCyanogenModが採用されており、Androidアプリは使える上に、非常にカスタマイズできる項目が多く、その点も人気が高い要因であった。
しかし、インドでMicromax社がCyanogenと排他的契約を結び、インドで販売されたOnePlus OneにはCyanogenModのアップデートを提供しないと主張したことから紛争となり、リスク回避のためOnePlusは独自のカスタムOS「OxygenOS」を開発するに至った。
現在OnePlusの販売する端末にはこのOxygenOSが採用されており、Androidをベースにカスタマイズ性を高めた仕様になっている。
OnePlus 2の画面サイズは5.5インチと、iPhone 6s Plusと同じサイズであるが、最近「OnePlus X」と称する5インチの小型端末も発売された。
(Reprinted from oneplus.net)
OnePlusの5インチ端末「OnePlus X」 − スペック詳細
- OS: OxygenOS(Android 5.1のカスタムOS)
- CPU: Qualcomm Snapdragon 801 (2.3 GHz Quad-core)
- RAM: 3GB
- ROM: 16GB (MicroSDで128GBまで拡張可能)
- 2G: GSM 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
- 3G: (ヨーロッパ・インド版、北米版で異なる)
- 4G: (ヨーロッパ・インド版、北米版で異なる)
- カメラ: リアカメラ1300万画素 / フロントカメラ800万画素
- スクリーン: 5 inches
- バッテリー: 2525 mAh
スペック自体は、いずれの項目もOnePlus 2には劣るものの、依然としてスペックは十分高い。
デザインも非常に優れており、これで直販サイトで249ドルで購入することができるのだから驚きだ。
OnePlusは、すでにヨーロッパ諸国とアメリカ、インドをはじめとするアジアでも展開しており、ネットでの販売を主とする企業であることもあって、グローバル展開には積極的である。
ぜひとも日本への発送も開始して欲しいところだが、現時点では日本進出の噂はない。
海外の転送サービスを使用したり、あるいは海外に在住する友人を経由すれば、日本からでも購入し使用することは可能である。
ただし、現時点では、OnePlus 2は招待状がなくても購入できるものの、OnePlus Xは招待状がなければ購入することができない。
初代のOnePlus Oneも招待制だったため、私も購入時には、招待状をもらうために公式のフォーラムサイトに書き込みまくっていた。
日本上陸後も注目を集める台湾メーカー「ASUS」
台湾ASUSといえば、パソコンメーカーとして認識されている方も多いであろう。
コストパフォーマンスの高いノートパソコンやネットブックなどを昔から販売しており、PCユーザーならASUSのPCを一度は買ったことがあっても不思議ではない程度に、PCの世界ではメジャーなメーカーである。
そんなASUSが販売しているスマートフォンが、「Zenfone(ゼンフォン)」である。
元々は2014年に海外で発売され、4インチのZenfone4、5インチのZenfone5、6インチのZenfone6の3サイズのラインナップで展開されていたシリーズだ。
初代のZenfoneシリーズはそれほどハイスペックではなかったが、わずか150ドル程度で購入出来るという破格のコストパフォーマンス、使いやすいデザインのUI(ZenUI)などから、中国や台湾を中心に人気を博していた。
その後、3サイズのうち5インチ版のZenfoneが2014年11月に日本で発売されることとなり、格安SIMを販売するMVNOである楽天モバイルやニフティのNifmoなどから実際に登場するに至った。
現在はZenfone5の後継機となる「Zenfone 2」が、引き続き楽天モバイル等から販売されている。
(Reprinted from ASUS.com)
ASUSのフラグシップスマホ「Zenfone 2」 − スペック詳細
- OS: Android OS 5.0 Lollopop
- UI: ZenUI
- CPU: Intel Atom Quad Core Z3580 (2.3GHz) / Z3560 (1.8GHz)
- RAM: 2GB/4GB
- ROM: 32GB/64GB
- 2G: GSM 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
- 3G: W-CDMA 800 / 850 / 900 / 1900 / 2100 MHz
- 4G: FDD-LTE 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 8 / 9 / 18 / 19 / 28
- カメラ: リアカメラ1300万画素 / フロントカメラ500万画素
- スクリーン: 5.5 inches
- バッテリー: 3000 mAh
メモリ4GBを搭載しているモデルは、iPhone6sなどと比較してもスペックは非常に高いと言える。
また、日本向けに発売されているだけあって、日本の主要な周波数帯には一通り対応しており、当然これまでに紹介したXiaomiやMeizuの端末とは比べ物にならないほど対応バンドが多い。
また、価格もかなりお得で、例えばZenfone 2を楽天モバイルで一括購入すると、一番スペックが高いRAM4GB/ROM64GBのモデルで50,800円、最も低価格な2GB/16GBで32,800円と、かなりのお手頃価格で入手できてしまう。
一括で9万円を超えてくるAppleのiPhoneや、日本メーカーのフラグシップと比べ、ずっと安い価格で非常に高スペックな端末を購入できることになる。
ちなみに、Zenfone 2と初代のZenfoneを比べると、スペックがさらに向上するとともに1万円ほど価格も上がっており、低価格志向のライトユーザのため、2015年8月に「ZenFone 2 Laser」という廉価版の機種も発売された。
こちらは初代Zenfoneの機能改善版といったところで、3万円程度と低価格ながら十分使えるスペックが用意されており、非常に人気が高い。
今後日本で楽天モバイルやNifmoといったMVNOの知名度が向上してくれば、間違いなく人気が出るだろう。
(1)海外で発売(2)人気の端末を日本の周波数に合わせ日本で発売(3)Amazonや格安SIMを扱うMVNOから販売するというZenfoneの日本進出の流れが、今後の中国・台湾メーカーの日本進出の際にも踏襲されるであろう典型パターンと言えるのではないだろうか。
日本のスマートフォンが駆逐される日
ここまで見てきたように、中国・台湾のスマートフォンブランドの特徴は、いずれも非常に低価格ながら高いスペックを実現しているという点である。
しかも、日本のようにSIMロック付きでキャリアの通信プランと抱き合わせて販売することで割引するスタイルではなく、SIMフリーの端末単体で購入しても十分お手頃価格で入手出来るというのが大きな魅力である。
実際、私は上記のOnePlus Oneを使用しているが、当然SIMフリーなのでMVNOの格安SIMから好きなものを選ぶことができ、違約金等の制限もなく格安で使用している。
端末は64GBで349ドルという驚きの安さで購入することができるし、ニフティのドコモ回線を使用したMVNOであるNifMoの音声通話+3GB分のLTEのプランで、月々の支払いはわずか1700円程度に抑えることができている。
となると、例えば毎月7000千円程度のお金を払ってOnePlus Oneよりもスペックの劣るiPhoneを購入し、しかも2年間の違約金縛りがありSIMフリーでもない・・・という多くの日本人が陥っている状況は、バカらしいことこの上ないではないか。
もしも、この記事で紹介した中国・台湾の格安スマートフォンブランドが続々と日本に上陸し、3万円前後で日本メーカーのフラグシップにも劣らないスペックのSIMフリー端末をAmazonなどで簡単に購入できるようになったとしたら・・・
そうなれば間違いなく、多くのユーザーがMVNOの格安SIMとSIMフリー格安スマートフォンの組み合わせに乗り換えるのではないだろうか。
現時点では、まだ日本の一般ユーザーの多くは、MVNOや格安SIMカードという概念を理解しておらず、SIMフリー端末という言葉はなんとなく知っている程度である。
特に高齢者世代などは、とりあえず有名どころのDoCoMo、au、SoftBankで契約し、店員に言われるがまま月8000円程度かかる高額なプランを契約しているケースが多いのではないか。
こうした状況は適正な競争によって是正されるべきであり、安倍首相の指示のもと政府が強力に進めたスマートフォンの2年縛り契約等の是正も、必要性はわからなくない。
しかし、本当にスマートフォンや通信プランの価格を下げるのは、MVNOの格安SIMの普及と、この記事で紹介したような中華系SIMフリー端末の上陸であろう。
そして、その変化は、間違いなく数年以内に実際に起こるはずだ。
すでに日本に上陸しているASUSやHuaweiに加え、続々と中国・台湾のスマートフォンブランドが上陸すれば、2年縛り・割賦販売に頼ってきた日本のスマートフォン勢はひとたまりもない。
スマートフォンを購入する際、「日本製は安心だから・・・」と2〜3万価格の高いスマホを選ぶ人がいるとは考えにくく、3万前後でSIMフリーかつ高スペックの端末が購入できるようになれば、日本勢のスマホを選ぶ特段の理由はない。
コストの低減と低価格の実現という点において、中華系スマホは非常に優れており、品質も年々向上してきている。
日本のスマートフォンが駆逐される日は近いだろう。
まあ、部品は日本メーカーのものが使用されている場合も多く、それはそれで悪いことばかりではないかもしれないが・・・。