中学の時、オーストラリア人の先生がやってくるスピーキングの授業が苦手で苦手で仕方なかった僕が、アメリカの大学に進学し、シリコンバレーで就職を決められるほどにまで英会話が上達する過程で、数えられないくらい色々な壁にぶつかってきた。
心理的なものや、英語の知識量など様々な壁があったが、やはり「発音」というのは常に僕にとって大きな壁であった。
今まで発音を学ぶ上で色々な参考書を読み、様々な練習法を試行錯誤してきた経験を踏まえて、英語の発音学習の初心者から上級者にまで勧められる超厳選した発音教材や参考書を6つ、発音を勉強する上での心構えと共に紹介したいと思う。
まずは英語の発音を鍛える目的を明確化しよう!
僕は昔、発音とは「ジャパニーズ」な発音から練習をしていくと、ある日突然ネイティブな発音になるものだと思っていた。
これはとんでもない勘違いで、発音とは少しずつ良くなっていくものなのである。
発音の勉強はいくつかの部門にわかれていて、各々を少しずつ少しずつ潰していく地味な作業である。ネイティブな発音になるためには、大変な労力がかかるものである。
そういうと気が遠くなるが、「伝わる英語」なら誰にでも到達可能なゴールである。まずはそこを目指して練習に励んでいこう。
発音は英語ネイティブに教わったほうがいいの?
読者の方には、日本人に発音を教わることに違和感を覚える人がいるかもしれない。これはどこを目指しているのかによる。
上記の通り、「伝わる英語」を目指している人にとって、日本人がわかりやすく解説してくれているというのは非常に強い味方なのである。
将来的に、「ネイティブの発音を目指したい!」と思った時には、その時にアメリカ人なりイギリス人の先生を探せばいいだけの話だ。
ネイティブの先生は、正しく綺麗な発音ができて、日本人の先生は説明がわかりやすいなど、各々に利点があるので、それらを活用して学習していくのが大事である。
例えて言うと、野球を習うときに地元の野球チームのコーチに習うのか、プロ野球選手に習うのかというのと似ている。
野球をやったことのない人なら、地元の野球チームのコーチから学ぶこともたくさんあるだろう。同じように、もし完璧でなかったとしても日本人の講師でも学ぶことはたくさんある。
誰に教わるにしても、重要なことは恥ずかしがらずに実際に声を出すということである。もしラジカセや、携帯、パソコンなどで録音ができるならば、ぜひ自分の声を録音して教材のCDと比べてもらいたい。
どの発音から勉強すればいいの?
発音の間違いの中にも、通じる間違いと通じない間違いがある。
例えば、「end」の最初の「e」は日本語の「え」と実は違う音なのだが、そこが間違っていてもほとんどの場合通じるはずだ。
しかし例えば、単語の中で強調する場所を間違えていたり、(特に単語の頭の)子音を派手に間違えると、なかなか通じなくなってしまう。
これは個人的な意見だが、子音と英語のリズムは通じない間違えを犯しやすい分野なので、そこを最初は重点的にやるのがいいかと思う。
発音を勉強する上で皮肉なことは、重要度が高い音が非常に難しい音であることが多々あるということだ。
例えば、RとLの区別は非常に大事なのだが、きちんとできるようになるのは時間がかかるので、根気よく続けたい。英語のリズムに関しては、本でルールを学ぶ傍ら、シャドーイングなどを通して実際に身に着けていくのが大事かと思う。
もちろん、RとL以外の子音、母音もひと通りは目を通しておくと更に良い。
それでは、心構えをひと通り網羅したところで、教材の紹介に入ろう。
英語発音学習の超定番!「世界一わかりやすい 英語の発音の授業」
人気予備校講師の関先生の著書である。日本人が書いたからこそ、日本人に非常にわかりやすい説明となっている。
母音、子音の解説に加えて、「Linking」と呼ばれる文中の単語のくっつけ方も非常にわかりやすく解説されている。
この本は、発音を勉強したことがない人が第一歩を踏み出す上で、非常にいいスタートだと思う。
筆者も大学留学を考え始めた高校の後半はこの本を何回も読んでいた。
絶対やり込むべき発音教材「Pronounce It Perfectly In English」
母音と子音を一つ一つ細かく口の開き方、舌の位置を図付きで解説し、似た音との対比など解説が非常に充実した本。
留学前に、上記で紹介した関先生の著書と共に、何回も読みCDを聞き練習をしていた。
僕は母音と子音をカバーしている最初の2章しかやってなかったのだが、今思うと残りの2章(stress patterns, intonation patterns)も早めに手を出しておけばよかったと後悔中である。
英語は、母音や子音が間違っても通じることはあるが、イントネーションが悪いと全く通じないことが多いので、注意が必要だ。
具体例をあげると、以前友だちとしゃべっている時に、「politics」のアクセントの位置を間違えたら、全く通じなかった。(ちなみに正解は最初の「o」にアクセントがある。)
アクセントのルールとして、名詞と形容詞になる単語(politics/political)は基本的に、名詞はアクセントが先にきて、形容詞はアクセントが後ろに来ることが多いのだ。
このようなルールをおろそかにしてたせいで、遠回りをしてしまった面もあるので、読者の方にはぜひアクセントやイントネーションにも気をつけていただきたい。
Youtubeで無料で観れる英語発音教材!「Rachel’s English」
これはアメリカ人のRachelさんが、Youtube上でやってる英語の授業である。
英語の学習チャンネルは他にもたくさんあるが、Rachel’s Englishは質の高さがずば抜けている。
各々の母音子音の説明に加えて、文のリズムの解説、さらにはアメリカでの挨拶の仕方などのビデオまで、英語の知識にとどまらず、英語でコミュニケーションを取るために必要な事柄を網羅し尽くしているといっても過言ではない。
この動画は、アメリカで人気のメキシコ料理「Burrito」を紹介しているビデオである。
見てもらえばわかるが、英会話と発音の解説までついた一石二鳥の内容となっている。楽しく文化と言語を学びたいという人にはうってつけだ。
いきなりアメリカ人がべらべら喋ってるのは難しそうと感じる方もいるかもしれないが、英語教材のためゆっくりはっきりしゃべっていて、更に英語字幕も付いていて、初心者にも優しい。
むしろリスニングまで練習できちゃう教材としてぜひ一度は試してもらいたい。
さらにYouTubeに上がっているので、無料で見放題というのもすごい。
バイリンガール英会話
Rachel’s Englishと同様、YouTube上で帰国子女のチカさんがやっている英語の授業である。
この動画のように、日本人なら誰でも一度は躓くであろう英会話表現講座などが充実している。
日本人とネイティブの立場、両方から英語学習を語れる人に教えてもらえるというのは非常に心強い。
これもYouTubeに上がっているので無料で見放題である。
これが最強の英語発音参考書「Mastering The American Accent」
僕が今まで使った教科書の中で最強といっても過言ではないほど、情報が詰まっていて非常によく説明されている。
各々の母音、子音の説明から始まり、ネイティブに近づくための秘密が詰まっている。
その内容の幅広さから、超初心者から超上級者まで誰にでもおすすめできる仕上がりとなっている。
日本人に最適化されたネイティブ講師による発音教材「Accurate English/For Japanese Speakers」
上記の「Mastering The Ammerican Accent」の著者のLisa先生はAccurate Englishという会社・学校の創立者で、ハリウッドの役者などにも発音を教えている発音業界では超一流の経験と知識を持っている。
そのLisa先生が、今までにたくさんの日本人に向けて教えてきた経験を踏まえて、直々に日本人向けに作ったDVD発音教材がこれだ。
全ての音を均一にカバーするよりは、日本人が特に苦手な音を重点的に必ずある間違えとその修復法を口の動きから細かく説明している非常に効果的な教材となっている。
このビデオは実際に日本人が発音しそれがどう間違えてるのかを解説し、その後正しい発音を紹介するという他にはない構造となっている。
僕は、実はLisa先生に直々にSkypeで個人レッスンをしてもらっていて、レッスン後このビデオで先生に説明してもらったところを復習するのがお決まりのルーチンとなっている。
ビデオは4章に分かれていて、一つ一つは49ドル、4つまとめて購入すると割引され157ドルである。他の教材よりは若干高めの値段設定になっているが、個人的には大満足の内容だ。
YouTubeに実際にLisa先生が授業している動画がこのようにいくつも上がっているので、これらを見ればDVDの雰囲気がわかるはずだ。
(このYoutubeの動画は、同じ先生の他のビデオからだが、雰囲気を紹介するという趣旨で紹介している)
発音の勉強は地味で大変な作業だが、良質な教材に出会えれば上達も早くなるし、モチベーション維持も楽になるはずだ。
「シリコンバレーで就職を決めた僕が選ぶ最強の英語発音教材6選」について
記事を拝見しました。
「Accurate English with Lisa Mojsin」のことについて検索していたら、このブログにたどり着きました。
参考になる内容を配信していただき、ありがとうございました。