シリコンバレーで働く僕が、渡米前に日本でやっていた英語勉強法10選

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高校卒業後渡米しアメリカでの大学生活を経て、現在シリコンバレーのとある米国企業で働いている僕だが、渡米前は何をどう準備すればいいのか全くわからなかったため、とりあえず闇雲に様々な方法で英語力の向上につとめていた。あまり意味のなかった勉強法も沢山あったのだが、アメリカ生活6年目の今振り返ると、非常に効果があったなと思う勉強法もいくつかあった。その中で特に厳選した10の勉強法を、英語圏の大学への留学や海外赴任を考えている人、すでに決定している人へ紹介したいと思う。



渡米前から、スピーキングは徹底練習!

「日本人は英語は読めるが、喋れない!」というタイトルの記事が散乱している中、日本人でそもそもリーディングの10分の1もスピーキングを練習している人をほとんど知らない。できないと嘆く前に、スピーキングが足を引っ張っていることがわかっているならば、リーディングにかける時間を削ってスピーキングの練習に費やすべきだ。スピーキングは、ネイティブでない我々は、いくら練習しても練習しすぎることはないため、渡米後の新生活をスムーズにスタートするためにも、渡米前から徹底的に時間をかけるべきである。

そもそも、どこからスタートすればいいのか全くわからない人は、とりあえずTOEFLのスピーキングセクションの練習から始めてほしい。TOEFLのスピーキングセクションの一番最初の問題は「What is your favorite book or movie? Describe it and say why it is your favorite.」のような簡単な質問について45秒で答えるというものがある。

これを練習するには、まずTOEFLのスピーキングセクションの教科書、もしくは、スピーキングのお題をまとめたサイトを見つけて来て、録音しながら、実際に45秒喋ってみてほしい。そして、そこから何がいけないのかを分析し、同じお題を自分の満足が行くまで、「録音→実際に聞く→反省点→克服する方法を考える」というサイクルをやってみてほしい。

筆者はこのような練習を留学前から徹底的に行なっていたため、渡米前の18歳の時点で、TOEFLのスピーキングは22点と日本人の中では比較的高得点を叩き出せていた。

もう少しお金に余裕がある人は、ぜひオンライン英会話を試してほしい。1時間数百円から外国人講師と英語での会話を練習できるサービスは様々ある。格安の授業で有名なレアジョブや、ネイティブ講師が集まっているiTalkiや、本ブログでも紹介したVerblingなどは、日本にある英会話教室の数分の1の値段で授業が受けられるため、英会話の練習量が確保できる。

留学には、圧倒的な語彙力が必要

もちろん大学や学部によっては例外も存在するが、一般的に、アメリカで学位を目指すことになると幅広く様々な分野での語彙力が必要となる。例えば、私は数学で学位をとったのだが、大学では、以下のような全然数学とは関係のない教科書、文献を読まされた。

  • アメリカでの第二次世界大戦前後の人種差別に関する本
  • 気候とその地域に生息している植物の特徴関する文献
  • 数年前に有名な賞をとった小説
  • マクロ経済学の教科書
  • 第二外国語としてとった英語で書かれた中国語の教科書
  • 英文学の授業で読まされた、とある演劇の台本

このように様々な分野の本を一般教養の名の下色々読まされることになる。このような様々な範囲の文献を読みこなして行くには、かなりの語彙力が必要になってくる。

筆者は、留学前から全力で語彙力向上に努めていたため、なんとか乗り切れたが、それでももっと語彙力は鍛えておくべきだったと今でも思うことはある。

Nipponomiaでは、以前「TOEIC・TOEFL-iBTで満点を狙う!語彙力を鍛えるオススメ単語帳4冊」を紹介した。TOEFLは、大学の環境での英語力を測るテストであるため、TOEFLに向けての語彙力対策がもっとも適当かと思う。

絶対に知っておくべき英語でのメールの書き方

仕事にせよ留学にせよ、渡米後には英語でメールを頻繁に書く必要が出てくる。実は、英語でのちゃんとしたメールの書き方はアメリカ人でもできない人が多いため、様々なサイトで細かく説明がされているためそれを参考にすればいい。特に、大学に入ったばかりの学生が、教授に変なメールを送ることが多いため、学校によっては、「教授へのメールの仕方」というページを作っているところもある。例えば、カリフォルニア大学サンタクルーズ校はそのようなページがあるので、ぜひ参考にしてほしい。

 このようなページで基本を学んだら、実際にメールを送るときは、ネットで似たような内容のメールの具体例を探してみて、それを真似するのが一番安全だ。以下によくありがちなメールの具体例をいくつかまとめてみた。
  • 仕事を病気で休まなければいけない場合
    • 「How to write an email to take a sick day」と調べると、このようなサイトが出てくる。
  • 教授に研究のお願いをする場合
    • 「how to email a professor about research opportunities」と調べると、このようなサイトが出てくる。
  • 興味のあるアパートの大家さんに見学のお願いをする場合
    • 「how to email about an apartment」と調べると、このようなサイトが出てくる。

一般的に、メールをするときは何かのお願いをする場合が多いため、できるだけ丁寧にお願いしたいものだ。

海外ドラマで、現地の雰囲気を学べ!

海外ドラマは、以前Nipponomiaでも「海外ドラマで英語リスニング力を強化!英語学習者のための難易度別ドラマまとめ」という記事で紹介した通り、英語学習にはもってこいの教材である。特に留学や海外赴任を控えている人には、英検のリスニングなどと比べると、より本場の雰囲気に近い状態でリスニングの練習ができる。

また一口に英語圏に行くと言っても、国によって使われる単語が全然違うので、その国のドラマを見るのがいいだろう。VOAというサイトで「Six Differences Between British and American English」というのが紹介されているが、それ以外にも、駐車場のことをアメリカでは「Parking lot」と呼び、イギリスでは、「car park」と呼ぶなど様々な違いがあるので、行き先の国の語彙に慣れておくのが大切だ。

発音を学んで、わかりやすい英語を喋ろう

発音というのは、簡単に上達するものではないが、やったら少しずつよくなって行くものだ。そしてネイティブでない我々はアメリカ人と全く同じように喋れなくても問題はないわけで、訛りがあることを否定的に捉える必要はない。

しかし、英語を構成している音と、日本語を構成している音は全く違い、また全体のリズムも全く違うため学校の英語の授業で、音読をするように英語を話したら、通じる英語も通じない可能性がある。

まずは、英語にはどのような音があるのかを学ぶことから始めよう。例えば、Rachel’s Englishという有名なYouTubeチャンネルには、アメリカ英語でつかわれている音がリストになっている。

スピーキングの時同様に、実際に自分の声を録音し、それを聞いて練習を積み重ねて行くのが大事だ。自分では聞いてわからないという人は、先ほど紹介した、Verblingなどで、ネイティブ講師について発音を教えてもらうのがいいだろう。

大量に英語を読む

アメリカの大学では、読む課題が非常に多い。例えば、英文学の授業では、ある有名な小説を100ページほど来週までに読んできて、それを次回の授業で議論するだの、歴史の授業では、数十ページにわたる歴史の論文のようなものを渡されて、それについてエッセイを書かなきゃいけないだの、なんだかんだで読むことは非常に多い。

「僕は化学だから大丈夫」なんて思う人はいるかもしれないが、大学では確実に一般教養でそのような科目がたくさん出るし、化学でも教科書を読み進めたり、論文から学んだりと、圧倒的な量を読む必要がある。

とりあえず、なんでもいいから、英語を読む練習を少しずつでも毎日するのが大事だ。ネットで色々読むのが好きな人はCNNなどのニュースサイトや、日本でいう「2ちゃん」に若干似ている「Reddit」などを日々チェックすることでも読む量を増やすことはできる。

筆者は、Redditを日々チェックしていて、そこでニュースや、くだらないビデオなどをチェックする過程で、様々な人のコメントに意見を通すことで、色々のな単語を学んでいる。

もうちょっと本格的に読解力を鍛えたい人は、グレイデッド・リーダーズのように、様々な本をレベル別に分けてくれているサイトから、自分のレベルにあったものを選んで、多読していきたい。

文法の知識を固める

文法に関しては、幅広く難しい単語を覚えなければいけない語彙力とは真逆で、基本をきちんと抑えるという姿勢が大事だ。筆者は、中学文法を120%抑えることが非常に重要だと思っている。

なぜ中学文法が大事かというと、会話で、時制や関係代名詞などの基本的な文法事項がきちんと使われてなかったりすると、そもそも意味がわからない場合も多い。またメールなどでも、そのようなところでグダグダしていると非常に読みにくいメールになってしまう。一方で、ややこしい高度な文法事項は実際出てくる頻度は非常に少なく、また出てきたときでも実は非常に簡単な言い回して置き換えられてしまうため、優先度は圧倒的に低いと考えてもらいたい。高度な文法の例を実際に取り上げると、倒置条件節と呼ばれる「if」を省略した仮定法などは、フツーに「if」を使った仮定法を使えば良いわけで、使わなければいけない状況に陥ることはまずありえない。逆に中学文法で出てくる項目は超頻繁に出てきて、他の言い回しで言い換えられることは少ないため、マスターする必要がある。

五文型と不定詞の用法は全てスラスラ出てきて、関係代名詞の説明もきちんとできるようになるように、中学文法はなんども復習してもらいたい。そして、もし余裕があったら、さらに高度な文法を勉強するのもいいだろう。文法は現地で生活してもあまり向上しないものの一つなので、日本にいる間にきっちり固めておきたい分野だ。また文法があまりにもグダグダだと、どうしてもあまり信用できない印象を与えてしまうため、仕事の足を引っ張ることになるため注意が必要だ。

英語でネットを使いこなせ!

ネットを英語で使いこなせるようになることで、手に入れられる情報量が一気に増え、それで生活の質が増すことは間違いない。

例えば、アメリカに引っ越した後、家具などを購入しなければいけない場合は、craigslistと呼ばれるサイトで、近くに住んでいる人の中古の家具を購入することもできる。また大学で読まなければいけない文献が山積みになってしまった場合は、ネットで要約を探すのも手だ。

Spark Notesというサイトはアメリカ人大学生なら知らない人はいないと言っても過言ではないほど、様々な本の要約がタダで読めるため、授業の課題をスムーズに片付けるにはもってこいだ。実際に私が大学生だった時も、英文学の授業で毎週80ページほど読まされることもあったため、Spark Notesは愛用していた。実際に本を読むにしても、まずSpark Notesで要約を読んでおくことで、読むスピードは格段に違うし、上級者になれば、Spark Notesを読んで、エッセイなどを書き、引用部分だけ実際の本からとってくるという離れ業もできる。

また授業でわからないことがあったら、YouTubeなどで調べることで、関連したトピックのビデオを簡単に見つけられる時もある。例えば、Khan Academyという有名なYouTubeのチャンネルでは、「行列式の求め方」のレッスンがこのようにタダで観れる。教授によっては、研究に特化していて、授業が非常にわかりにくい人もいるので、このようにインターネット上の情報を頼りに勉強して行くのも大事だ。

このようにネットが英語で使えるかどうかで、生活費や成績まで変わってしまうことがある。日本にいる間から、英語で少しずつ検索をすることで、英語でインターネットを使うことに慣れていこう。

自分の専門分野の英語を学べ!

これは、筆者がやっておけばよかったと思うことの一つである。日本で数学の偏差値は70を超えることも頻繁にあるほど数学は得意だった筆者だが、数学の振り分けテストを渡米直後に受けた時に、単語が全くわからず撃沈してしまった。例えば、「分母」は英語で「denominator」で、「分子」は「numerator」なのだが、どっちも意味を知らず、文脈から、「おそらく分母と分子の話をしているのかな…」という推測はできたものの、どっちがどっちかわからず不正解に終わってしまった問題もあった。

もし留学をするならば、自分の興味ある科目でどのような教科書が使われているかをチェックして、そのうちいくつかに目を通しておくのが良いだろう。例えば、物理学に興味があるのならば、適当な大学名で「physics <大学名> syllabus」などと調べれば、出てくるはずだ。そして、教科書名をネットで調べていけば、時々無料のPDFが見つかることもある。

もしくはプログラマーで海外赴任をする人ならば、Stack Overflowなどに目を通しておくことで、基本的な語彙は少しずつわかってくるはずだ。

海外の人と交流するということに慣れる

日本で生まれ育った僕にとって、初めて海外の人と話した時は非常に緊張した。もちろん英語を喋らなくてはいけないというのもそうだが、それ以上に、日本人以外と喋ったことのない状態で、初めて海外の人と話すということ自体に緊張した。

アメリカには、身長190cmを超える人も街中に平気でいるし、人種だっていろんな人がいるし、そもそも雰囲気から違う。筆者は178cm、90kgと日本では割とガッチリした方だが、アメリカでは部屋で一番小柄な人だったりもすることも稀ではない。

いくら外見で人を判断するのがよくないとわかっていても、普段会う人より20cmも身長が高くガッチリした人がいきなり話しかけてきたら、大半の人はおじついてしまうだろう。

そんな経験をするためには、Meetupのようなサイトで色々な人と様々なイベントに行くのがいいだろう。もちろんその過程で英会話の練習もできる。

 

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