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Twitterに代わる「Mastodon」の使い方とそのすごさを徹底解説

Twitterに代わる「Mastodon」の使い方とそのすごさを徹底解説

ここ1週間、TwitterやFacebookに次ぐ新たなSNSとして、インターネットを騒がせているのが「Mastodon(マストドン)」だ。
日本最大のMastodonのサーバーである「mstdn.jp」には、わずか2日程度で5万ユーザーが集まった。

Mastodon(マストドン)の機能は、要するにTwitterに近いものであるが、「Twitterのパクリでしょ?」の一言では片付けられない可能性を秘めている。
何より、Mastodonの最大の特徴は、分散され、ユーザー間の強い”人間的な”繋がりを重視している点にある。

今回は、そんな「次に来る」SNSとして大きな注目を集めている「Mastodon(マストドン)」を始める方法を詳しく解説するとともに、Mastodonが見せてくれる新世代SNSの可能性と、その限界を考察する。




Mastodonとは何か?Twitterと何が違うのか?

Mastodon(マストドン)を初めて知る人は、まずはTwitterとほぼ同じことができるSNSだと考えれば、概ね間違っていない。
Mastodonのユーザーは「つぶやき」を投稿でき、画像をアップしたり、他のユーザーをフォローしたり、ハッシュタグを付けたりと、Twitter丸パクリの機能を使用することができる。

そのユーザーインターフェースも、ツイッターで言うところのTweetdeckと類似のものだ。

Mastodon tweetdeck

但し、いくつかTwitterとの微妙な違いもある。

TwitterとMastodonの違い〜基礎編〜

  • 各インスタンスでツイートの呼び方は異なり、toot(トゥート)、noot、awooなどと呼ばれる。
  • toot(トゥート)の文字数制限は500文字であり、かなり長文をつぶやくことができる。
  • toot時に使用できる「CW」機能とは、「content warning」機能であり、設定した警告文をクリック/タップしない限り、他ユーザーがコンテンツを閲覧できないようにできる。

これらの違いによって、Twitterよりも長い文章をトゥートできることに加え、ユーザーによっては不快な可能性があるコンテンツを、隠した状態でトゥートできると言うメリットがある。

とはいえ、これだけでは「なんだ完全にTwitterのコピーじゃん!絶対流行らないよ!」と思われてしまうのではないだろうか。

Mastodonのキモは、こうしたTwitterとの微妙な機能差ではなく、「インスタンス」という概念の存在なのだ。

Mastodonの「インスタンス」ってなんだ?

何よりも重要な点は、MastodonにはTwitterのような共通のトップページは存在せず、新規ユーザーは、多数存在する「インスタンス」と呼ばれる個々に独立したMastodonに登録するということだ。

Mastodonの「インスタンス」とは何か

  • ユーザーは、個人や企業が立ち上げたインスタンスを好きに選び、そのインスタンスの一員になることができる。
  • ローカルタイムライン」には、自分が登録したインスタンスのユーザーのつぶやきが常時流れており、同インスタンスのユーザーを見つけることができる。
  • 連合タイムライン」には、自分が他インスタンスのユーザーを「リモートフォロー」している場合に、自分のインスタンスに加えて、他インスタンスのユーザーのつぶやきも一緒に流れて来る。

今のところ、日本で最もユーザー数が多いインスタンスは、日本の大学院生nullkal氏が立ち上げたmstdn.jpであり、記事執筆時点で約5万人が所属している。
開発者であるEugen Rochko氏の管理するインスタンスであるmastodon.socialには、約4万人が在籍している。

このインスタンス制の面白いところは、個々のインスタンスが、自分たちのルールを自分たちで定め、一つの独立国家であるかのように振る舞うことができる点だ。
Twitterのような画一的なルールに全員が縛られるのではなく、トゥートのルールや削除方針、追加機能まで、それぞれのインスタンスが自ら決定する。

現在世界中には、反ナチ/反排外主義/禁ポルノを掲げるインスタンスもあれば、”jerk”になることを禁じるだけのインスタンス、フェミニスト専用のインスタンス、文中で”e”を使ってはいけないという言葉遊び用のインスタンスまで、多様な集団が存在している。

いわば、ユーザー自身が言論の自由と規制のバランスを選択できるのだ。

ちなみに、実際にMastodonを使っていると、他インスタンスに所属するユーザーの名前の横には、「@instance名」が表示されているのが分かるはずだ。
下の画像でいう「@pawoo.net」という部分が、Pixivという会社が立ち上げたインスタンスで、このユーザーはpawoo.netのインスタンスに属していることが分かる。

Instance

とりあえずユーザー登録をして初めてみよう!

何はともあれ、まずはユーザー登録をしてみることをオススメする。

現状有力なインスタンスは、日本の大学院生が立ち上げた世界で最もユーザー数の多い「mstdn.jp」か、イラスト共有サイトPixivの運営する「pawoo.net」のいずれかだろう。

本当はもっと自分の嗜好に合ったインスタンスを選択できればいいのだが、何しろ黎明期にあるため、あまりに過疎っているインスタンスに登録しても面白くないであろうから、とりあえず多数派に乗っかっておくことをオススメする。

Screenshotmstdn.jp

現状世界最大のインスタンスであるmstdn.jpへの登録画面

どのインスタンスを選ぶにせよ、登録画面は同じだ。
メールアドレスとパスワードを登録すれば、Twitterなどと全く同じように使い始めることができる。

Instance register

Mastodonを始めたものの何をすれば分からないと言う人は、とりあえず本記事執筆者の私「小松さん」をフォローしてほしい。
「@komatsu @mstdn.jp」と検索するか、こちらをクリックすることで、僕をフォローすることができる。

Screenshot「小松さん」のフォロー

小松さんはインスタンス mstdn.jp のユーザーです。アカウントさえ持っていればフォローしたり会話したりできます。

トゥートの仕方には4種類!

初めてMastodonを触った場合には、トゥートの仕方に迷うかもしれないので、一応簡単に解説しておく。

Mastodon toot

トゥート時には4つの類型があるので、必要に応じて使い分けることができる。

Mastodonでのtootの仕方4種類

  • 「Pubilc」で投稿すると、インスタンス全体のTLに掲載される
  • 「Unlisted」で投稿すると、全ユーザーが閲覧はできるが、TLには掲載されない
  • 「Private」で投稿すると、フォロワーのみに公開
  • 「Direct」で投稿すると、toot内で「@」指名したユーザーのみに配信

インスタンス全体のタイムラインに、全ユーザーのトゥートが表示される仕組みはとても面白い。
4万を超えるユーザーが登録しているインスタンスでは、とても目で追えるようなスピードではないが、全く知らない人のトゥートも見ることができるので、フォローしたい人を見つけるのに最適だ。

1000人規模のインスタンスが乱立している状態が理想?

このように、インスタンスを活用することで、同じ趣味、専門性、目的、政治信条を持つ多様なユーザーの集団が、Twitterよりもずっと人間らしく、強固なコミュニティを構成することができるのだ。

それでいて、従来のTwitterやFacebookなどの大型SNSと同じように、時には「リモートフォロー」を行い、他のインスタンスの人ともフォローし合うことができるのだ。

mstdn.jpのように、ユーザー数が数万人に及ぶインスタンスでは、そのメリットを感じることが難しい。

ところが、例えば同じ言語を得意とするプログラマ1000人で構成するインスタンスや、野球観戦が好きな1000人で構成するインスタンスなどが生まれたとすれば、「ローカルタイムライン」で非常に密なコミュニケーションや、新しいユーザーとの出会いを楽しむことができるだろう。

これは、botや広告が溢れ”人間らしさ”を失ってしまったTwitterなどの既存の大型SNSでは、もう実現することができない理想の世界だ。
それでいて、Mastodonは従来のTwitter等と同じように「リモートフォロー」による他インスタンスからの情報収集も可能にしており、コミュニティ感と利便性の両立を試みる野心的なプロジェクトだと言える。

興味がある分野の、中規模のインスタンス3つくらいと繋がって、ローカルTLと連合TLを見ていれば、Twitterより圧倒的に人間らしく繋がれるコミュニティになるだろう。

Mastodonの可能性と限界

要するにMastodonの最も優れた点は、同じ趣味や専門性を持つユーザー同士の独自コミュニティ形成を認めつつ、一応インスタンスを超えてフォローできる従来型のSNS要素を融合させたという点にある。

FacebookやTwitterといった従来のオープンなSNSの様に、フォロワーやシェア数の爆発的な増加は期待できないが、失われたインターネット初期のような、「リアルな繋がり」を楽しむことができるのだ。

また、インスタンスは、あらゆる個人・企業が、自分の好きなドメイン上で動かすことができるということもメリットの一つだ。
報道機関や企業が情報発信を行う際に、自らの独自ドメイン上でインスタンスを立ち上げ発信する(新聞社のドメイン上など)ことで、その出自の信頼性を担保できるのだ。

一方で、根本的な課題も有しているのは事実だ。
最大の問題は、Mastodonのインスタンス管理者が、仮に悪意を持って行動した場合、パスワードの抜き取りや言論の弾圧など、いくらでも悪いことをできてしまうという点だ。

この問題は、あくまで数百から数千人規模のインスタンスで、ユーザーが管理者への個人的信頼を有している場合には、それほど問題にならないかもしれない。
しかし、数万人単位のインスタンスの管理人が、本当に信頼に足る人物なのかどうかは、外形的に知る術はなく、当人が悪さをしないことを祈る以外に回避策がない。

インスタンス間の競争によって、悪意を持った管理者のインスタンスは淘汰されていくという可能性もあるが、善意に依存した脆弱な仕組みだと考えることもできよう。

逆に言えば、自分や友達、心から信頼できる個人や企業が立ち上げたインスタンスであれば、安全は確保されるはずだ。
ある意味では、システム上の欠陥を、「人間的な繋がり」や「個人的な信頼」によって補おうという試みでもある。

いずれにせよ、これからMastodonがどのように発展していくのか、非常に楽しみだと感じる。
難しいことは考えず、とりあえずこのビックウェーブに乗っておくのも悪くないだろう。

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About The Author

nipponomiaCo-Founder, Writer小松明
平成生まれ。神奈川出身。
米国でパブリック・アイビーの一つに数えられる州立大学への留学を経て、某旧帝大を次席で卒業。TOEIC満点。現在はNGO勤務。

英語の読解力にはかなりの自信があり、海外の学術論文からテック系ニュースまで、日々情報収集している。
主要な関心は日本、英米の社会保障制度。
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