奥深い冠詞の世界

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英語を授業で習った時に、まず出てくるのが「冠詞」と言うものだ。「a, an, the」と、日本語を母国語として育った日本人にはそもそも全く必要性の感じられない謎の文法である。しかし実は、冠詞は文の意味を変えてしまうほど実は非常な重要な役割を果たしている。この記事では、冠詞の奥深さを感じてもらうため、冠詞一つで文の意味が決定的に変わってしまう状況をいくつか紹介したい。




小説「Bridge to Terabithia」からの例文

「Bridge to Terabithia」という小説の一場面で、主人公のJessが、妹と自分のためにサンドイッチを用意するシーンがある。

Jess made peanut-butter sandwiches for the little girls and himself

「ジェスは、女の子(妹たち)と自分のためにピーナッツバターサンドイッチを作った」と特に目立って複雑な構文などではない。しかし、この「the little girls」に注目してほしい。特にここで「the」が使われていると言うことに注目してもらいたい。実はこの「the」は非常に重要で、これがあることによって、「the little girls」は(この前の文脈などから)妹たちのことを指していることがわかる。

ここで、もし「the」がないとどうなってしまうのか?そうすると、Jessが「不特定多数の小さな女の子」にピーナッツバターサンドイッチを作っているちょっと怪しい不審者のような意味になってしまう。

では以下のような状況を考えてみよう。

 

スミス氏は、来週ハロウィーンなので、小さな子供達のために、お菓子を買った。
このように、ハロウィーンにやってくるであろう、不特定多数の子供のためにお菓子を買ったような状況だと、「Mr. Smith bought snacks for children because Halloween is next week」のように、「children」には冠詞はいらない。

 

 

aとtheで意味が決定的に変わってしまう例

  • I remember a few things that my teacher taught last week.
  • I remember the few things that my teacher taught last week.

これらの例文は、日本人からすると、「先生が先週教えたいくつかのことを私は覚えている」と特に目立った違いは感じられない。違いは、「a」と「the」だけである。しかし、一つ目の例文は「先週先生は色々なことを教えたが、そのうちのいくつかのことしか覚えていない」と言う意味になり、二つ目の例文は、「先週先生はいくつかのことを教えて、それを全て覚えている」と言う意味になる。これはなぜかというと「先生が教えてたいくつかのこと」が、「the」を使うと、「全部」と言う意味になるからだ。「the few things…」というのは、このように「全体」を示すと言う意味で使われることが多い。

これを踏まえて、以下の状況を見てほしい。

ジョンソン氏は奥さんに頼まれて、奥さんの作ってくれた買い物リストと共にスーパーへ行った。
ジョンソン氏が帰ってきた時に、奥さんに、以下のようなことを言ったとしよう。
  • Hey, I bought the few things on the shopping list.
  • Hey, I bought a few things on the shopping list.

一つ目は、「買い物リストには、いくつかのものが書いてあったが、それを全て買ってきた」という意味になる。しかし、二つ目は、「買い物リストにはたくさんのものが書いてあったが、そのうちいくつかしか買ってこなかった」と言う意味になる。

このように、特に役にたたなそうな冠詞が、意外と重要な働きをしている例は、非常に興味深いと感じられる。冠詞について深く勉強するためには、以下の記事にある教科書をお勧めする。

 

 

 

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