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マイケル・ムーア監督が語るトランプ氏が大統領選に勝てた本当の理由

マイケル・ムーア監督が語るトランプ氏が大統領選に勝てた本当の理由

NYタイムズを始め、大手メディアは揃ってクリントン勝利を予測していたアメリカ大統領選。
前評判を覆して、アメリカ次期大統領の席を勝ち取ったのはトランプ氏だった。

実は、そんなトランプ氏の勝利を選挙のずっと前に予想していた人物がいる。
それは超過激な手法で有名な映画監督マイケル・ムーア氏である。




マイケル・ムーア監督がトランプ氏の勝利を選挙前に確信していた5つの理由

サンダース氏の支持者であったマイケル・ムーア監督は、選挙前に自身のサイトに「トランプ氏が勝利するであろう5つの理由(5 Reasons Why Trump Will Win)」という記事をアップしている。

Screenshot5 Reasons Why Trump Will Win | MICHAEL MOORE

マイケル・ムーア氏が、大統領選前にトランプの勝利を予測していた記事。

アメリカ社会に対し深い洞察を持つマイケル・ムーア監督が、なぜトランプの勝利を予想したのか。
上記の記事を要約すると、5つの理由は次のようになる。

アメリカ中西部の「ラストベルト」

最初にマイケル・ムーア氏が挙げる理由が、「Rust Belt」による「Brexit」の再現である。
ラストベルトとは、Rust(=金属のサビ)に由来し、かつて栄えた工場や機械といった工業産業が、今やすっかり衰退してしまっているアメリカ中西部〜大西洋岸中部にかけての一帯を指す言葉だ。

マイケル・ムーア監督は、トランプ氏が選挙戦中、ラストベルト地帯のミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州、オハイオ州に資源を集中するであろうと予測している。

これらの4州は、伝統的には民主党が強かった地域であるが、2010年以降共和党の候補者が勝ち続けている。
かつての主力産業であった工業が衰え、不満の溜まったラストベルトの住民が、これまでとは異なる変化を求めている可能性が高い。

トランプ氏は、フォードなどの車メーカーが工場を閉鎖し、メキシコに工場を移転させる計画を行う中で、メキシコからの逆輸入に35%もの国境税をかけると宣言し、米国内の車メーカーに圧力をかけていた。
ムーア監督は、これがラストベルトを構成するミシガン州の住民にとっては、とても甘い言葉として響いているのだと分析する。

シリコンバレーを筆頭とする新しいIT産業などで発展した他の州とは異なり、工業の衰退に苦しむラストベルト州が、あたかもイギリスのEU脱退を決めた国民投票(Brexit)のような現象を引き起こすのではないかというのだ。

そして、マイケル・ムーア氏の予想どおり、実際にトランプ氏はラストベルト地帯の4州で、見事勝利を納めている。

怒れる白人男性の最後の抵抗

アメリカは、建国から240年間にわたって、白人男性中心で回ってきた国だ。

しかし、今や女性のクリントン氏が大統領選挙の有力候補として名を連ねている。しかも、黒人のオバマ政権によって、8年間も黒人が大統領を務めたばかりだ。
ここからさらに8年間にわたって女性がアメリカ合衆国の大統領を務めるなどという事になれば、白人男性の手にあった権力が、どんどん失われていくことになる。

マイケル・ムーア氏は、黒人が8年アメリカを支配し、さらに女性が8年アメリカを支配し、ついには同性愛者やトランスジェンダーにさえ支配されてしまうのではないか、という保守的な白人男性のリアルな感覚を指摘している。

日本人からすると、自由な側面や、リベラルな側面、同性愛などにも寛容なイメージがあるアメリカであるが、アメリカ南部や中西部には、未だ強い保守層が多数存在している。

日本で知名度の高いカリフォルニア州のような、リベラルで開放的な人々ばかりが、アメリカ人ではない。
保守的な白人男性の中には、女性や黒人に対し必ずしも平等主義ではない者もいるし、敬虔なキリスト教徒の中には、同性愛に強烈な抵抗を有している者もいるのだ。

ヒラリーが抱える問題

日本では、トランプ氏の暴言ばかりがメディアで多数取り上げられるが、「我々の最大の問題はトランプ氏ではなく、ヒラリー氏だ」とムーア監督は指摘している。

ヒラリー氏は、イラク戦争に賛成していた過去があったり、かつて10年以上同性婚に反対していたにも関わらず現在は賛成していたりと、言行不一致が度々指摘されている。
70%もの有権者が、ヒラリー氏を信用に値せず、不正直だと考えているという調査結果も存在するほどなのだ。

ムーア氏は、民主党支持者も、特定の支持政党を持たない人々も、今回の大統領選の投票日には誰一人として熱狂しないだろうと指摘する。
オバマが出馬した時のような熱狂はなく、今回の選挙はただ一つのことが焦点となるという。

And because this election is going to come down to just one thing — who drags the most people out of the house and gets them to the polls — Trump right now is in the catbird seat.

この選挙は、「誰が最も多く有権者を家から引っ張り出し、投票に行かせたか」ということに尽きるであろうから、トランプが有利である。

落ち込んだサンダース支持者

民主党の大統領候補であり、ヒラリー・クリントンに敗れたサンダース氏の支持者が、トランプ氏を支持するとは考え難い。
しかしながら、サンダース氏をかつて支持していた有権者が、サンダース氏が敗れた後、積極的にヒラリー氏の支持を周りに訴えることはないのではないか、とムーア監督は予想する。

これは一般市民が政治的な意思表示を盛んにするアメリカならではの問題だ。
積極的にヒラリー氏を応援する有権者が増えなければ、民主党の他の候補を支持していた人々の票や、その周囲の人々による投票が伸びず、ヒラリー氏は苦戦するだろうというのだ。

ジェシー・ベンチュラ効果

ジェシー・ベンチュラ氏は、元プロレスラーで、引退後ミネソタ州知事に就任した人物である。

「ミネソタの有権者がベンチュラ氏に投票したのは、ベンチュラ氏に政治的能力があると思ったからではなく、彼が、汚れた政治の世界に対するジョークとしてちょうどよかったからである」とムーア氏は説明する。

日本でも東国原知事を始めとする、テレビの人気者が当選する例があるが、「この人なら、政治の世界の常識に従わずにやってくれるのでは」という期待が込められているのは、いうまでもないだろう。

昔からテレビなどメディア露出が多く、破天荒(もしくは不適切)な発言を繰り返すトランプ氏にも、似たような期待が集まるのではないかと予想している。

トランプ氏が大統領になったというのは日本にどのような影響をもたらすのかなど、様々な注目が集まっている。
国境沿いの壁など、実現不可能であろう公約が多いトランプ氏がどのような政策をとるのか、注目だ。

About The Author

nipponomiaCo-Founder, Writerヒデノリ
平成生まれ。東京出身。
中学で英語に目覚め、アメリカ留学に興味を持つ。
高校卒業後渡米し、パブリック・アイビーの1つにも数えられるアメリカの名門州立校にて数学を専攻、オールA卒業。

現在は、シリコンバレーにて某世界的IT企業本社勤務。趣味はロッククライミング。

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Hidenori

Born and raised in Tokyo. Moved to MN at the age of 19.
Having survived four winters there, I have moved to California.

Currently working as a software engineer in the Bay area.

I enjoy rock climbing, and I love traveling abroad! My profile picture was taken in Morocco :)

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